台風で窓ガラスが割れる風速とは?直前にできる対策と効果
一戸建て2階で48m/秒以上など条件によって変わる
国家資格1級ガラスフィルム施工技能士
Harumado 平井 喬
この記事を読むための時間:5分
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窓ガラスが割れる風速
早速本題に入ります。風が窓にあたる時に加わる力を「風圧力」と言いますが、通常窓ガラスは風圧力によって破壊されないように設計されており、建物の立地や高さ、地域によって耐えられる基準があります。つまり、基準を超えると風圧力に耐えられずガラスが割れる可能性があるということです。
耐えられる上限
東京、名古屋、大阪、福岡などの住宅地を例に、ガラスが耐えられる風圧力を瞬間風速に置き換えると
一戸建て2階 約48m/秒
マンション10階 約60m/秒
20階 約70m/秒
立地、高さ、地域などの条件で結果は変わるためあくまで一例ですが、障害物がなく風の影響を受けやすい窓ガラスほど強度が求められます。
近年の台風だと
さて、目安を知ると気になるのは「実際の台風の強さ」です。耐えられる上限を超えるのか超えないのか、上陸した台風の風速を見てみると
2018年大阪 最大58.1m/秒
2019年千葉 最大57.5m/秒
2020年九州 最大59.4m/秒
これらの風速は地上10mに設置された気象台の風速計で記録されました。一戸建てだと窓ガラスが破壊される風速で、高くなるほどに風圧力が増すことを考えると、マンション高層階でも被害があると思われます。
風速よりも
ただ、窓ガラスが受ける風圧力は条件によって変わるため、台風が強いからと言って「割れる」とは断言できません。また弱いから「割れない」とも言えません。ガラスが割れる原因は風圧力だけではないからです。むしろ風圧力以外の原因が大部分を占めています。
怖いのは飛来物
それは、平均風速20m/秒以上になると発生する飛来物です。国土交通省が2019年の千葉の台風を調査した資料によると、被害は窓ガラスを含めた外装材に多く発生し、その数は97000棟にも上りました。
固定しても重たくても
また気象庁の「風の強さと吹き方」によると、風速20m/秒以上で屋根瓦が飛び、30m/秒以上で看板が飛びトラックが横転、35m/秒以上で外装材(壁材等)が飛散するとされています。固定していても重たいものでも飛んでくるということです。
マンション7階でも飛んでくる
このような飛来物は、2018年の大阪の台風ではマンション7階まで飛んできてガラスを貫通しています。「せめて3階くらいだろう」というのは当てになりません。台風が強くなるほど高くまで飛んできます。
最悪の被害は
ガラス割れによる最悪の被害はいうまでもなく命を落とすことです。もし命が無事でも大けがや家屋・家財の損害は免れないでしょう。ガラスが散乱して避難ができず、悪路でレスキュー隊が到着できないこともあります。台風時こそ、怪我をしない、助けを必要としない準備を整えることが必要です。
主な対策と効果
では台風前の準備はどのようなものが考えられるでしょうか。ここではよく知られている対策と効果をご紹介します。大きく分けて「外側の対策」と「内側の対策」の二つです。
外側の対策
窓ガラスそのものを守るためには外側(屋外)の対策が必要です。ガラスの身代わりに被害を受け止めるので「当てない対策」と言えます。
シャッター・雨戸
窓の全面を覆うため当てない対策として大きな効果があります。留守や夜間に防犯目的で日常使いできることは大きなメリット。ただ取り付けスペースのサイズ不足、壁の種類で設置できないことがあります。工事足場が必要なケースや工期が数日を要することが多いです。
格子・ルーバー
窓全面を覆うことができデザインや機能性が多種多様です。視界の障害となりやすいので腰高窓や掃き出し窓に取り付けることはまずなく、主に小窓が対象です。
板の打ち付け
材料を調達できれば有効な手段です。しかし台風直前になるとホームセンターやネットでは売り切れとなることも。打ち付ける工具と技術が必要で、DIYでは取り付けが難しいことが多いです。
防風ネット
簡単に購入できますが問題は取り付け方。台風に煽られて飛ばされないようにするためには、固定するための留め具・知識・工具が必要です。また網目を小石などが抜けたり、網が切れてしまうことがあります。
壁にリフォーム
実例もある大真面目な対策です。建築基準法と消防法に抵触してはいけませんので、まずは建築士やハウスメーカー、大家さん、ビルオーナーに問い合わせてみましょう。
内側の対策
外側の対策がでできない場合は室内側に対策をします。窓ガラスが割れても「飛散・貫通させない性能の高さ」が重要です。
養生テープ・ガムテープ
よく見かける「✕印」テープを貼る対策ですが効果はありません。手で簡単にちぎれるテープ類が飛散・貫通を防げるはずがなく、費用と手間の無駄遣いとなります。
【必見!養生テープの台風対策実験動画】
新聞紙・段ボール・緩衝材(プチプチ)
ガラス全面を覆うと外が見えなくなるためなんとなく安心感を得られます。しかし新聞紙と段ボールは水でふやけ、緩衝材はあくまで空気の層。ガラスを保持する強さはありません。
カーテン・ロールスクリーン
四辺に隙間なく強固に留められると効果があるかもしれませんが、その留め方が不明です。レジャーシート(ビニールシート)やブラインド、ベニヤ板、コンパネ、プラダン、発泡スチロールも同様です。
防災合わせガラスに交換
無色透明の飛散防止膜(中間膜)を2枚のガラスで挟み込んだもので、極めて高い飛散・貫通防止性能があります。台風前後のガラス業者は超多忙で緊急対応は難しいので、余裕をもって依頼しましょう。ガラス以外の費用(サッシ交換や工事足場の設置など)は要確認です。
ガラスフィルム
今あるガラスに、JIS認証のある飛散防止フィルムや防災フィルムを貼り付ける対策です。各種実験からも効果が認められており、公共施設等での導入実績が多数あります。最短半日以内の工期と低コストが特徴です。10年耐久なので台風のたびに貼り変える手間はかかりません。無色透明でUV99%カットの性能もあるため日常使いできます。
重要なのは「効果の高さ」「施工の速さ」
現実的な選択肢
以上のなかで最初に検討するのは窓に飛来物を当てない「シャッター・雨戸」です。この方法が難しい場合は「防災ガラスへの交換」となります。しかし工期・費用がかさむ場合は「施工の速さ」と「リーズナブルな料金」の面でガラスフィルムが現実的な選択肢となります。
緊急時は24時間対応
弊社はガラスフィルムの施工専門店なので、お問合せ~見積もり~施工まで全て自社完結でスピーディー。国家資格1級のフィルム施工技能士がおり、台風前は24時間体制でご依頼に対応します。台風対策を何かしたいとお考えの場合は遠慮なくお問合せくださいませ。
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