西日で部屋が暑くてまぶしい!カーテンを開けて気持ちよくすごすには
窓の交換かガラスフィルムで「明るく涼しい」を実現!
西日の時間、眩しい太陽とジリジリとした暑さが差し込む真夏・・・
暑さまぶしさをしのぐために、日中は遮光カーテンを閉めっぱなし、ということよくありますよね。
せっかく外は明るいのに、カーテンをすると室内が暗くなてしまい照明をつけることに・・・
なんだか太陽光がもったいないなと感じてしまいます。
とは言っても、暑さまぶしさを遮るためにどうしてもカーテンはせざるを得ないですし、
思い切ってカーテンをあけてみてクーラーの温度を下げると、室温は下がっても電気代は余計にかかるし、まぶしさだけは変わらないなんてことも。
「なんとか暑さとまぶしさを防げないか」と思うのは自然なことだと思います。
そこで、今回は普段窓ガラスフィルムの施工業を営んでいる立場から、真夏の窓ガラスのお悩み解決のポイントをいくつかお伝えしたいと思います。
なるべく公平で客観的な立場から書きますが、仕事への思い入れもあり「フィルム寄り」な部分があるかもしれませんが(笑)、寛大なお心で最後までお付き合いいだたけますと幸いです。
部屋が暑くなる理由は?
さて、真夏にお部屋が暑くなる理由はなんでしょうか?
もちろん、太陽光が室内に入ってくるため、ですね。
そして太陽光の中でも、暑さの原因となるのが「赤外線」と「可視光線」です。
紫外線も暑くないことはないのですが、その影響はごくわずかで、ほぼ影響なしと言えます。
また、可視光線は目に見える「明るさ」「暗さ」の素になる光線です。
これらの太陽光がガラス越しに室内に入ってくる時、ガラスを透過して室内の空気を暖めます。
さらに壁や床、家具類で反射・輻射し「むわー」っと暑い室内が完成します。
そして、熱が入り込むタイミングは眩しい西日の時間でもあるので、同時にお部屋の奥まで眩しさが届いてしまいます。
こうして、眩しい環境が出来上がります。
つまり夏場の窓ガラスの暑さと眩しさの対策は、赤外線と可視光線が窓から室内に入らないようにすればいい、ということになります。
手っ取り早く対策をするにはカーテン、またはブラインドなどが思い浮かびますが、やはり開放感や明るさが犠牲になるので、違う方法を知りたいところです。
カーテンを使わずにお手軽に解決するとしたら、「すだれ」や「よしず」などがすぐに思い浮かびます。
【すだれ】
【よしず】
これだと原因となる日射が室内に入りにくくなります。
それに室内側に影ができるので涼しさと風情を感じられますし、季節になるとホームセンター等で安く手に入れられて設置も簡単。
しかし、カーテンと同じように窓を覆うので景観が犠になりますし、設置ができない環境もあります。
台風で飛ばされないか心配にもなります。
やはり窓を覆う種類の対策は、どうしても開放感や明るさが犠牲になりそうです。
根本の解決は「窓の交換」か「窓ガラスフィルム」
そう考えると、根本の解決にはやはり窓ガラスそのものを
①交換
②フィルムを貼る
どちらかが現実的な方法になりそうです。
解決策① 窓の交換
今あるガラスを「Low-eガラス」に変える方法です。
Low-eとは、暑さの原因となる日射熱(太陽光)を反射や吸収することで室内に入らせないようにする層のことです。
Low-eガラスは基本的にペアガラスとして使われますので、重量が増すためサッシを含めての交換になります。
そのため交換箇所数に合わせて工事には時間がかかります。
メーカーや種類によって遮熱性能に違いがありますが、近年の個人宅でよく見かけるタイプのLow-eガラスだと「熱線を60%カット」が最高性能値でのようです。
これはとても高い性能だと思います。
またガラスの見た目はうっすらとグリーンの透明が主流で、普段の生活で色が気になることはまずありません。
その他には、よくオフィスビルで見かける茶色や灰色をした熱線反射・吸収ガラスも暑さの対策ができますが、こちらは見た目の特徴から個人宅よりもオフィス向けですね。
解決策② 窓ガラスフィルムを貼る
フィルムは今ある窓ガラスに貼ります。そのため大がかりな工事が必要なく短時間で施工か完了します。
遮熱性能と見た目によってバリエーションがとても豊富で、細かくみていくと数百種類はあろうかとおもいます。
代表的なものだと
・マジックミラータイプ
・微有色透明タイプ
・スモークタイプ
・すりガラスタイプ
などがあり、環境や希望に合わせてお好みのフィルムが選べます。
遮熱の最高性能フィルムだと、日射を74%もカットしますので、窓際温度を20度前後も下げる効果があります。
外から見ると鏡のような見た目になるので、プライバシーを守れるだけでなく、室内からは外が見えます。
性能・耐久年数・費用の比較
それではLow-eガラスと遮熱フィルムの比較を一覧にまとめましたので、ご覧ください。
表にあるとおり、代表的なメーカー品の最高性能値で比較しています。
■日射熱取得率
日射熱取得率は、暑さをどれくらい室内に取り込むのかを数値化したもので、言い換えると100%から引き算すると「どのくらい暑さをカットするのか」が分かります。
Low-eガラスは60%のカットに対し、遮熱フィルムは74%のカットなので、最高性能の比較ではフィルムが高い遮熱性能があります。
■紫外線カット率
紫外線カット率は、その名の通り室内に入る紫外線をどのくらいカットするのかの割合です。
紫外線の影響は蓄積されることを考えると、ほぼ100%をカットするフィルムが優れています。
■可視光線透過率
明るさがどれだけ室内に入るかをあらわしたものです。これは71%対20%と、圧倒的にLow-eガラスが優勢です。
Low-eガラスは室内から見ると無色透明のガラスに見えますので、室内の明るさに違和感を感じることはまずありません。
一方のフィルムだと、20%まで透過率が落ちると暗さを感じやすくなります。
普段フィルムを施工している立場でも、貼った後は「ちょっと暗いな」と感じることはあります。
■品質保持期限
ガラスとフィルムが経年劣化するまでの目安の期間のことです。
「ガラスって劣化するの?」と思われると思いますが、この品質保持期限とは「ペアガラスの中間空気層」の品質保持期限のことです。
中間空気層には乾燥空気やガスが封入されていますが、経年劣化してくるとカバー材の密閉性が落ちてきて、中間空気層が結露したり断熱性能が著しく落ちてしまいます。
ご自宅やオフィスの窓ガラスの、右下あたりを見てください。
メーカー名と一緒にガラスの特徴が刻印されています。
そこに「品質保持期限~迄」などと表記がありますので、誰でも確認することができます。
一方のフィルムの場合、劣化のサインはガラスの接着面に現れます。
小さな白い斑点のようなものが見えたり、全体的に波打って見えたり、なんだかすっきりとしない見え方かをすると劣化の症状です。
これは表面に出るのではなく接着面に出る症状なので、汚れかと思ってゴシゴシとこすっても落ちることはありません。
Low-eガラスもフィルムも、紫外線をカットするので寿命は10年と長いのですが、永久に紫外線をカットするものではありません。
ただ、一般的な家電が「7年耐久」と言われていることを考えると、耐久品としては長めだと思います。
■費用
費用はメーカー各社が公表している1㎡あたりの料金を、掃き出し窓1組2枚(3.5㎡)で計算した額です。
ホームページで公表されている料金を参考に算出しており、諸費用などは含みません。
Low-eガラスとフィルムでは、わりと大きな違いがありますね。
重量、在庫管理、事前準備、施工時間、施工の手間などを考えると、両者妥当な料金かと感じます。
ところで、フィルム施工後の明るさについて、ミラーフィルムでも可視光線の透過を高めて、なおかつ遮熱性能のバランスを取った製品も各メーカーからでていますので、ぜひサンプルで確認してみてください。
バランスを取った製品は「貼っても違和感ないね」とお客様からよく仰っていただけます。
おすすめの紹介
以上を踏まえまして、夏場の室内の暑さと眩しさの対策として、根本の解決は「窓交換」か「ガラスフィルムを貼る」のどちらかがおススメです。
カーテンをせずに窓の開放感を活かすことができますし、選ぶ種類によってはUVカットや災害対策もできます。
Low-eガラスとフィルムには、一長一短があります。
サンプルを取り寄せたり、業者からしっかりと話を聴いたり、皆様のご希望の窓環境に合う製品を選ばれるのが一番だと思います。
個人的に、私がおススメの商品をそれぞれご紹介して、この文章を終わりたいと思います。
最後までご精読いただきましてありがとうございました!
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