ガラスの性質と特徴とは?ガラスの基礎知識と種類別の特徴も解説
ガラスの性質と特徴について
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普段、何気なく接しているガラスですが、実は「経年劣化しない」、「引っ張る力に弱い」など、様々な性質を持っています。中には「固体と液体、それぞれの特徴を持つ」という驚くべき性質も。そこで今回は、ガラスの性質や特徴をご紹介します。
ガラスの性質と特徴
ガラスの主な性質と特徴5つをご紹介します。
①無色透明
まず、見た目から分かる特徴ですが、ガラスは無色透明です。透明であることで、ガラスは室内と室外を遮断しながらも、外の光を室内に取り入れることができます。
均質の物の大量生産が可能
ガラスは原料を溶かして、冷やし固めるだけで作ることができます。難しい工程がないため、均質な物を大量生産することが可能です。
②固体と液体の中間状態
一見固体にしか見えないガラスですが、実はガラスには通常の固体にはない分子の動きがあります。通常、固体の分子は、ひとつの配置の周りを振動しています。しかし、ガラスの分子は配置を変えながら振動しており、この性質は液体のものなのです。このことから、ガラスは固体と液体の中間状態であると言えます。
固体と液体の特徴を持つことで様々な応用ができる
ガラスは固体と液体の両方の特性を持つため、熱を加えることで液体状になります。この性質を利用することで、ガラスは様々な形にしたり、化学物質を配合して例えば熱に強い、反射しにくくなるなどの特性を付けたりすることができるのです。
③経年劣化しない
ガラスは半永久的に経年劣化しません。ガラスが経年劣化し、土に還るまで100~200万年かかると言われています。そのため、もしもガラスビンを道端に捨てたとすると、そのガラスビンは私たち人類が滅んだ後も残り続ける可能性があるのです。ガラスに限った話ではありませんが、ゴミはきちんと捨てたり、リサイクルに出したりしましょう。
白焼けには注意
ガラスは経年劣化しませんが、「白焼け」という現象が起きると劣化したように見えるので注意が必要です。白焼けはガラスの表面についた水滴を放置することで起きます。ガラス製品を長持ちさせたいのであれば、洗った後はしっかりと水気を切るようにしましょう。
④熱伝導性が乏しい
ガラスは金属などと比べると、熱伝導性が乏しく、一部に熱を加えても、全体に熱が伝わり、熱くなるまで時間がかかります。この特性を活かして、グラスウール(細いガラスの繊維)は住宅の断熱材として利用できるのです。また、通常は衝撃に弱いガラスも、熱伝導性が乏しいという特性を活かすことで、強度を上げた「強化ガラス」を作ることができます。ガラスは加熱すると体積が膨張します。ガラスを加熱して一気に冷やすと、ガラスは熱伝導性が乏しいので、表面だけ冷え固まり、内部は膨張したままになります。このようにして内部と外部の膨張率を変えることで、衝撃に強いガラスとなるのです。
⑤引っ張る力に弱い
ガラスは引っ張る力に弱く、少し引っ張っただけでも割れてしまうことがあります。この性質を利用すれば、少し傷をつけたガラス管を左右から引っ張ることで簡単に折ることができます。しかし、うっかりガラスを引っ張ると、割れて怪我をする危険があるため、注意が必要です。
ガラスを扱う際は性質と特徴を知っておこう
ガラスには、固体と液体それぞれの特性を持つ、熱伝導性に乏しいなど、様々な性質や特徴を持っています。それらの性質を活かすことで、便利に使うことができます。しかし、少しの力でも引っ張ると簡単に割れてしまうなど、危険な性質もあるため注意が必要です。ガラスは性質と特徴をしっかりと把握した上で取り扱うようにしましょう。