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自分で養生できない吹き抜け窓の台風対策はどうしたらいい?

国家資格1級技能士による「防災・飛散防止フィルム」施工が最適

この記事を読むための時間:5分

国家資格1級ガラスフィルム施工技能士

Harumado 平井 喬

 

1.DIYの高所・吹き抜け窓作業は危険

吹き抜け窓の台風地震対策

年を追うごとに暑さが増す近年、弊社では台風に関連するフィルム施工のご相談を多くいただいております。その中でも顕著なのが「吹き抜け窓が自力で何もできず、なんとか対策したい」というお客様のご希望です。最高で5mもある吹き抜け窓では、仮にその高さに達する脚立や梯子などの足場があったとしても

 

不慣れな作業

動きの制約

疲労の蓄積

集中力の欠如

安全と怖さの誤った認識等

 

何重にも課題がでてきて、端的に言えばDIYの高所作業は危険です。

 

 

また、対策方法にはいくつも疑問点が浮かびます。

 

どのような材料を用意すればいいのか

緊急時は争奪戦なので手に入るのか

効果は確かなのか

 

これらの「そもそも」を解決するには、DIYではとても難しいと思います。また、DIYに限らず台風時はハウスメーカーや工務店、修繕業者などからひっきりなしに弊社に連絡がありますので、住宅のプロでも「吹き抜け窓の台風対策」は専門外ということです。

専用の足場を組んで安全を確保し、JISに準拠した製品を用いて国家資格1級のプロがフィルム施工をするのが最も望ましい台風対策といえます。未経験で知識がないDIYでの高所作業は本当に危ないので、ためらわずプロにご依頼ください。

 

2.厚みの違いは貫通・飛散防止性能の違い

大きくわけて4種類

防災・飛散防止フィルムは厚みの違いで大きく4種類にわかれますので、まずはその種類を説明致します。

 

防災・飛散防止フィルムの違い Harumado

 

これらのフィルムは厚みによるガラスの飛散防止性能が違います。台風時にガラスによく「コツコツ」とあたる小石等を想定したものが100µタイプで、最厚の350µ厚以上のタイプは木片や瓦、サンダルなどの大きな飛来物の衝突を想定しています。

次にその効果を京都大学で行われた性能記評価試験の動画でご覧いただきます。

 

動画で効果を確認

【100µ厚飛散防止フィルム性能評価試験】

小石が複数回ぶつかる時の実験動画です。

 

【350µ厚防災フィルム性能評価試験】

木片がぶつかるときの実験動画です。

 

いずれの動画でも対象としている飛来物(小石や木片など)が衝突しても貫通せず、室内側へのガラスの飛散もありません。貫通しないかぎり強風が室内に入らないので、室内が荒らされたり屋根が持ち上げられる心配はありません。また、ガラスが飛散しないことで怪我などの直接の被害を防げるだけでなく、足元の安全と避難経路が確保できます。生活導線が集中するリビングを避難スペースとしても活用できるようになります。

 

台風対策だと100µ以上

ところでフィルムの種類は「50µ」もありますが、これは飛散防止フィルムの一般的な厚みで公共施設などに多く導入されているタイプです。もちろんJIS準拠の飛散防止性能は有していますが、100µレベル同等の貫通防止性能があるとは明言できません。そのため台風対策であればピンポイントの衝突に効果のある100µ~350µ以上のフィルムが適していると言えます。50µタイプは地震ようなガラス全面の揺れに効果を発揮できます。

 

3.手でちぎれる養生テープに効果なし

養生テープ

吹き抜け窓に台風対策を施すとして、考えられる方法としてすぐに思い浮かぶのは「養生テープ」ではないでしょうか。結論から言いますと、養生テープには台風の物当たりにによる飛散防止効果はありません。百聞は一見に如かずなので、フィルムと養生テープの飛散防止実験動画がありますのでご覧ください。

 

【使用製品】

●フィルム:

 3M社製飛散防止フィルム/SH4CLAR(厚み100μm

●養生テープ:

 市販の容易に購入できる製品/「米」の形で貼り付け

【実験内容】

①フィルムを貼っていないガラス

②養生テープで補強

③フィルムを貼ったガラス

いかがでしょうか。

どの対策でも飛来物がぶつかると窓ガラスは割れます。しかし、全面貼りの飛散防止フィルムだとガラス片が飛び散らずにサッシに保持されたままです。この全面貼りがJISの根拠です。

一方の養生テープですがガラスは盛大に飛散してしまいました。しかも本来はサッシに残るはずの破片も養生テープに引っ張られて脱落しています。見方を変えると被害が拡大した、と言えそうです。

考えてみると隙間の多い貼り方の養生テープに飛散防止効果がないことは明らかで、で千切れる養生テープは台風の強いエネルギーに耐えられません。主たる目的は「梱包等」なので、比べるでもなく効果の差は明らかです。

 

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【窓ガラスの台風対策】効果のある養生テープの貼り方とは 

 

 

4.無色透明で耐用年数10年

養生テープの剥がし方

 

養生テープは貼り付けるのは簡単でも剥がすのが大変です。表面の緑色の部分は剥がれても、粘着層だけ残ってしまってどうしても剥がせなくなることもあります。ゴシゴシ拭いても取れないし、薬剤を使うと匂いが充満して嫌だし、お掃除屋さんも台風以降は大忙しでなかなか来てくれない・・・。そもそも台風の度に貼って剥がしてを繰り返すのは大変なことです。その上効果もないので、やはり飛散防止フィルムを貼ることが現実的な選択と言えます。

飛散防止フィルムの耐用年数は10年で、一度貼るとこの期間は貼り替える必要はありません。そして無色透明なので見た目が変わることはありません。養生テープをはがすと白く残ることがあるので、見た目の観点からも優れていると言えます。

 

5.ペアガラスは割れる量が倍

ほぼ100%の家がペアガラス

 

開口部における断熱性や気密性を高めるために近年の住宅ではほぼ100%ペアガラスが設置されています。これはサッシ1枠にガラスが2枚はまっている窓のことですが、単純に割れる量も2倍になるなど有事の危険性が増しています。「ペアガラスだから強いですよね?」と言われるお客様もおられますが、1枚ガラスでもペアガラスでも、はっきり言えば何層に構成してもガラス単体の強さは変わりません。衝撃に対する脆弱性はそのままです。だからペアガラスにフィルムを貼ることで防災対策をすることは、ガラスの脆弱性を補う観点からも大変に有効です。

 

防犯合わせガラスなら台風対策に有効

ところで、もしペアガラスが「防犯合わせガラス」で構成されていれば、すでに防災対策ができています。防犯合わせガラスは2枚のガラスをフィルムを挟み込んで作るので、フィルムによる防災対策ができているからです。

 

6.建設中か完成済みかで貼れるフィルムが変わる

吹き抜け窓では足場が必要なので、下の画像のようなタワーを組みます。

 

吹き抜け窓のフィルム施工で使用する足場

 

床や壁を傷つけないために頑健かつ軽い材質で作られており、杭を打ち込まず床面の上に固定する構造です。そのため作業台で強い力をかけて作業をするとタワーが僅かに揺れます。この僅かな揺れの影響で貼り付けに強い力が必要な、主に200μ以上のフィルムはタワー上では施工が難しいです。そのため完成物件の吹き抜け窓は基本的に100µタイプの施工となります。一方で建築中で吹き抜け空間に工事用の足場があると200µと350µ以上のフィルムも貼れます。建築中の早い段階でご連絡をいただくと選べるフィルムの種類が広がりますので、ご依頼はお早めにお願いいたします。

 

 

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